神戸を中心に自ら現場と直接関わりながら、現場力強化を支援しているオフィス・ビブラビの長尾です。
経営者であれば、従業員に伝えなくてはならないことがあるものです。
ところでそれは正しく届いているのでしょうか?
先日、新型コロナウイルスについての番組で、尾身会長を取材していました。
尾身会長は、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の会長です。
新型コロナウイルスが感染し始めた頃の専門家会議は感染拡大防止を目的としていたので、医療関係者だけで構成されていました。
ところが今の分科会は、経済の専門家なども加わり、社会経済活動の観点も含めて包括的に分析し、政府に提言し、公表しています。
最近、社会経済活動から見たアクセルとブレーキとが話題になっています。
感染拡大防止のためにはブレーキが必要で、経済を動かすためにはアクセルを踏まなくてはなりません。
今年の春の緊急事態宣言に伴う行動制限は強力なブレーキです。
その後、感染拡大が落ち着いたこともあって、ブレーキは緩められました。
当初は未知のウイルスのため、分からないことも多かったので、あらゆる活動に自粛を要請していました。
その後、研究が進み、何が感染を広げるのかも分かってきたようです。
そこで、行動制限の一部は緩め、その一方、感染防止のために採るべき行動が提示されました。
その後、GOTOキャンペーンが始まりました。
これまでブレーキはある程度緩められても、自粛要請で我慢していることも多く、予防対策も面倒でも我慢して行ってきました。
その中で、GOTOキャンペーンというアクセルが踏まれた時、安心感が広がりました。
そして、ブレーキは求められている以上に緩めた人が出てきたようです。
アクセルを踏めば、ある程度感染者が増えることは当然です。
しかし、今急に拡大している要因は、一人ひとりが頑張ってしてきた面倒な予防対策が甘くなったことのようです。
急拡大の原因は、GOTOトラベルによって人の移動が増えたことでもなく、GOTOイートで会食の機会が増えたことでもないのです。
適切な強さでブレーキを踏みながらアクセルを踏むことが分科会の意図でした。
ところが、アクセルを踏んだことで、踏まれたアクセルに関心が集中しました。
そして結果として、今まで通り適切な強さでブレーキを踏み続けなければならないというメッセージは十分に伝わらなかった、というよりも軽視されたようです。
メッセージは必ずしも正しく伝わるとは限りません。
都合よく解釈されることも少なくありません。
これは、経営者が従業員に伝えるメッセージでも言えることです。
伝えたメッセージをどのように受け止めているかにも注意を払っているのも、現場力の強い経営者の特長の1つです。
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オフィス・ビブラビのサービス
執筆者、長尾洋介のプロフィール
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経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
ビジネスの支援を通して、そこに関わる人たちの人生が充実したものになる一助となりたい。
そんな思いでサービスを提供しています。
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