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【外部委託先への批判は真っ当?】

神戸を中心に自ら現場と直接関わりながら、現場力強化を支援しているオフィス・ビブラビの長尾です。
新型コロナウイルスに関連して、国から外部に業務を委託しています。
それに対して出ている批判は真っ当なのでしょうか?


新型コロナウイルスに関連して、国から多くの施策が出ています。
そして、そのいくつかは民間の企業などに委託しています。
その委託に関して、さまざまな批判や疑惑がニュースになっています。
その主なものは、
・委託費用が高すぎるのではないか
・最も低い価格で入札した所が選ばれず、委託先が出来レースで決まっているのではないか
・委託先は下請けに丸投げしているだけではないか
などです。
これらの批判は正当なのでしょうか?
まず、委託費用についてです。
通常、企業が提供しているサービスなどと比較すれば高いと判断されるのは当然です。
しかし、今回のような委託業務の内容は、通常提供しているサービスとは違います。
新たに対応するチームや部門を作らなくてはなりません。
業務を行うための場所を新たに確保し、設備を整えなくてはなりません。
コンピューターのシステムを作る必要もあります。
そして、これらの業務は、早く開始する必要がある上に、一定期間で終了します。
オーダーメイドの短期間のサービスを、早期に開始出来るようにするのは、企業にとって、非常にコストのかかる業務です。
そもそも、費用の評価を他のサービスを基準として行うことには無理があります。
既存のサービスなどと比較して批判するのは真っ当ではありません。
次に、委託先の選定と、下請けへの再委託についてです。
批判されている国からの委託事業は、比較的大規模なものがほとんどです。
規模が大きい事業を行うには、多くの資源、特にマンパワーが必要です。
大きな会社で社員数が多くても、社員は通常の業務を行うために必要な人数しかいません。
小さな会社と比べると、人を融通する余地は大きいはずですが、すべての要員を社内で賄うことは出来ません。
そこで、下請けや孫請けも含めて、外部の業者などと協力して業務を行わなくてはなりません。
では、どんな会社でも、必要なマンパワーを確保出来るだけの外注先や委託先を持っているのでしょうか?
大規模な事業を、外部の要員も使いながら管理、運営するノウハウを持っているのでしょうか?
対応出来る会社は限られています。
それが現実です。
もちろん必要以上に高い費用で委託することは問題があります。
しかし、対応する能力がある会社が、受託を希望しない金額では、引き受けてくれる会社がなくなります。
そして、より安い費用で請け負う会社があったとしても、業務を遂行する能力がなければ、委託することは出来ません。
上に挙げたように、国の委託に関して、さまざまな批判が上がっています。
批判するのは簡単ですが、業務を遂行することが目的で現実的に見ると、批判の論点には問題があります。
もちろん、検証する必要のある視点です。
しかし、批判の多くは論点が偏っていたり、一面的であり、真っ当ではありません。
これは多くの会社にも言えることです。
どんな会社も外注したり、委託する必要のある業務があるものです。
その委託先の選定は、費用と要員の確保や管理、運営のノウハウなどを総合的に判断して決める必要があります。
そして、それを意識して判断と選定を行っているのも、現場力の強い経営者の特長の1つです。
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執筆者、長尾洋介のプロフィール

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