神戸を中心に自ら現場と直接関わりながら、現場力強化を支援しているオフィス・ビブラビの長尾です。
企業は公器と言われていますので、社会の期待に応えなくてはなりません。
しかし、その判断は簡単ではありません。
会社の代表者である経営者には、さまざまな立場からの要望が寄せられます。
納期や価格、品質についての厳しい内容の要望もあるでしょう。
事業に関すること以外でも、会社のある地域のための協力も要請されるでしょう。
従業員の採用で、熱意がある人が応募してくれば、機会を与えたいと思うでしょう。
これらの要望は、相手にとって必要であったり重要なものです。
出来れば応えたいと思うのが人情です。
ところが、これらの要望を受けることには、どのような影響があるのでしょうか?
会社として応じた要望を実現するために、実際に実行するのは現場の従業員です。
厳しい納期に対応するには、残業しなくてはならないかもしれません。
今まで以上の品質のものを作ったり、新しいものを作るには、別途時間を確保しなくてはならないでしょう。
人の雇用も同じです。
誰かから頼まれたり、応募してきた人が、未経験であったり、能力が不明な人を雇う場合も、同じです。
意欲がある人に機会を与えたいと思うのは人情です。
しかし、経験もなく、適正なども不明な人を雇うことで、その人に仕事を教える負担を引き受けるのは現場の社員です。
もちろん会社の将来のことを考えた場合、これらの要望に応じることは、悪いことばかりではありません。
厳しい納期に対応することは、作業効率を上げるような改善の機会になります。
高品質や新しい商品に取り組むことは、開発能力を高める機会になります。
常に新しい従業員を雇い、実務がこなせるように育成することが必要なのも、言うまでもありません。
要望に応えることは、変革や改善など、将来への投資と言えます。
しかし、多くの要望を同時に受ければ、現場は混乱し、疲弊します。
現場の状況によっては、難しいと言うよりも、無理な場合もあります。
社内の状況から考えて無理なことを引き受ければ、現場は引き受けた経営者のことをどう思うでしょう?
ええかっこしい、見栄っ張り、外面がいい、すぐに安請け合いする、と批判するでしょう。
窮状を訴えれば、協力するなどと言われることもあるでしょうが、説得するためのことであり、結局無理を強いられるのは現場です。
そして、そのことを現場は分かっています。
要望を受ければ、期待に応えたいと思うでしょう。
要望に応えることが、相手を助けることになるのであれば、応援したいと思うでしょう。
会社の将来のために、現場に負荷をかけることは悪いことではありません。
しかし、現場が混乱し、疲弊させてしまう要望に応えるのは問題です。
その見極めの重要性を理解した上で、判断しているのも、現場力の強い経営者の特長の1つです。
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オフィス・ビブラビのサービス
執筆者、長尾洋介のプロフィール
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経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
ビジネスの支援を通して、そこに関わる人たちの人生が充実したものになる一助となりたい。
そんな思いでサービスを提供しています。
長尾洋介プロフィール
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