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現場が勝手にしたから分からない?

指揮者とオーケストラ

オフィス・ビブラビの長尾です。ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。

会社の不正問題のニュースが注目を集めています。経営陣は本当に知らなかったのでしょうか?

大手中古車販売会社の不正問題では、毎日ニュース遠賑わせています。不正の実態が次々に明らかになってきています。これだけ多くの店舗で同じ不正が行われていると、会社が組織的に関与していて、会社として指示が出ていると判断されるのもやむを得ないです。

一方、会社側は、現場が勝手にしていたことで、経営陣も実態を把握しておらず、指示もしていないと言っています。これが本当のことなのかが疑われています。

本当に指示をしていないのか、知らなかったのかは、本人にしか分かりません。もちろん、指示していたり、知っていたのならば問題です。しかし、指示していない、知らなかったとしても、それも経営者として問題があることに間違いはありません。

まず、経営者は会社がしていることに責任があります。実際に指示していたかどうかは関係ありません。従業員が勝手にしたとしても結果責任を負うのが経営者です。起こった問題について向き合う姿勢が経営者として問題があります。

次に、経営陣が気づくことが出来なかったとしたら、管理、監督する立場にある者として問題があります。今回のケースで言えば、一台当たりの修理費用が大幅に多くなっていたはずです。修理費用にばらつきがあるのは当然ですが、多くの修理をしていれば、その平均値は一般的な標準値に近づくはずです。自社の平均値が大幅に多いならば、それは異常値です。何かあるのではないかと思うはずです。健全に業務を行っているかどうかは数字は数字に表れます。異常値かどうか判断出来ない、どの数字を見るべきかが分かっていないとすれば、それは経営者として問題があります。

このような不祥事が起こると、必ずと言って良いほど、会社が課しているノルマや、従業員にかけられているプレッシャーが問題になります。しかし、会社は事業を行っている以上、ノルマは必要です。ノルマ達成は事業の存続に関わるので、従業員にプレッシャーをかけるのも当然です。ノルマや従業員にプレッシャーをかけることが問題の本質ではありません。

問題はノルマが現実的かどうかです。ビジネスでは、偶然が重なって好結果が出ることがあります。しかしそれは一種の異常値であって、基準や目標にすることは適切ではありません。その判断が出来ない人が目標を決めることが問題なのです。

そして、現実的でない目標を達成しているとすれば、何か手段や方法に問題がある可能性が高いです。従業員の努力ややる気で達成出来ないからです。本当に偶然が重なって目標が達成出来ることもあります。しかし、多くの箇所が長期にわたって達成しているとしたら、何か不正なことが行われいる可能性を疑わなくてはなりません。

今回のケースは、不正なことをしなければ達成出来ない過剰な目標をノルマとして決めていた可能性があります。そして、プレッシャーをかけることで目標を達成するために現場が不正を行うように仕向け、不正をあえて見なかったり、知っていても黙認していた可能性もあります。経営陣は現場がしていることを本当に知らなかったのかもしれません。不正の指南していたわけではないかもしれません。しかし、不正をせざるを得ないような過剰な目標を決めたのは経営陣です。そして、経営データに現れる不正の兆候を見逃したのも経営陣です。いずれにしても経営者としての責任は免れません。

高い目標を掲げるのは悪いことではありません。それを従業員に追いかけさせると従業員から不満の声が上がるかもしれません。それでも目標を決めなくてはならないのが経営者です。そして、不正を行なっていないか目を光らせていれば従業員から疎ましく思われるかもしれません。それでも従業員の行動を監視しなくてはならないのも経営者です。

本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。

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