よく、コンサルタントは、難しい言葉で圧倒し、もっともらしいことを提案し、高い料金を請求する。
そして、その提案通りに実行して、思うような結果が出なくても、責任をとらない無責任な人達だ、と言われます。
コンサルタントを名乗って仕事をしている者として、耳が痛いですが、ある意味、その通りです。
ほら、やっぱり・・・と、言われそうです。
ところが、このあたりのことを考えると、コンサルタントなど、外部の専門家の使い方や、社内での改善活動などで成果に結び付ける方法の「キモ」の部分がわかります。
目次
コンサルタントが無責任と言われる理由
ある意味、と言うのは、以下の理由からです。
1.実行するのは、その会社と、その社員だから
2.現実に責任を取ることが出来ないから
3.提案は提案でしかなく、そのまま実行して成果が出るかは不明だから
では、一つずつ見ていきましょう。
実行するのはその会社と社員
1.実行するのは、その会社と、その社員だから
ご存知の通り、どんな優れた計画でも、実行されなければ結果は出ません。その上、どんなに詳しく、わかりやすい説明書があっても、初めてだったり、慣れないことがすぐに出来るわけではありません。自転車の乗り方の本をいくら読んで、理解して、覚えて、常に参照しても、自転車には乗れません。練習という経験を積むことで、乗れるようになるのです。
だいたい、新しい取り組みは、日常の業務をこなしながらすることがほとんどです。本当に実行しているのかを確認する必要があります。さらに、少しずつ経験を積みながら、新しいことをが出来るようにならなくてはなりません。
この「実行」は、現場で行われます。その意味で、コンサルタントは提案だけで、この現場での支援を行わない限り、思ったような成果が出ない場合、提案内容自体にしか責任はないことになります。
成果を出すカギは、現場の実行です。提案や計画と同じか、それ以上に、実行を重視することが大切です。
コンサルタントは現実に責任を取れない
2.現実に責任を取ることが出来ないから
何か新しいことに取り組むと、コンサルタントに支払う報酬以外に、さまざまな設備やモノへの投資が必要になります。さらに、社長をはじめ、関わる社員の時間やエネルギーも必要です。
それだけの投資をして、取り組んだことで、成果が出なかった場合、コンサルタントに責任は取れるのでしょうか?
その後、そのコンサルタントに相談することはないでしょう。今後の仕事を失うことと、せいぜい、報酬を返上するか、謝罪することくらいでしょう。賠償金を請求することも出来るかもしれません。それでも、会社が失ったもの、お金やら時間やエネルギーの全てが元に戻るわけではありません。
結局、そのマイナス部分を引き受けなくてはならないのは、中小企業の場合、経営者以外にないのです。
コンサルタントは責任を取らないというよりも、コンサルタントに責任は取れないと考える方が良いと思います。
外部の専門家は、大いに利用、活用すべきですが、何をするのかを決めすると決めたら成果が出るように実行することは、経営者が担わなくてはならない役割なのです。
提案は提案でしかない
3.提案は提案でしかなく、そのまま実行して成果が出るかは不明だから
どんなに緻密に分析し、考え、練り上げても、計画は計画です。計画通りにいくわけではありません。状況も変わっていきます。
現場で試して、調整したり、修正することが必ず起こります。
この、現場で試して、その結果の情報を集め、検証して、修正するいわゆるPDCAのサイクルを回していくことが必要です。
このサイクルを回さずに、当初の提案や計画をそのまま実行して、成果が出ないのは、ある意味、当たり前のことです。
この、実行の段階で、成果を出すために必要なPDCAのサイクルを回す大切さをコンサルタントが伝えないとしたらそのコンサルタントには問題があります。ある意味、現場を知らない、と言えます。
社内で、PDCA のサイクルを回すか、その経験がないなら、コンサルタントに関わらせながら回せる社員を育てるか、コンサルタントに任せるかいずれかを決める必要があります。
責任者を特定することは大切ではない
責任者を特定出来ても、成果が出るようになるわけではありません。使ってしまったモノが元に戻るわけでもありません。
まずは、出来るだけ望む成果が出るように、すべきことを知り、実行するそれが一番大切なことなのです。
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
ビジネスの支援を通して、そこに関わる人たちの人生が充実したものになる一助となりたい。
そんな思いでサービスを提供しています。
長尾洋介プロフィール
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