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コスト削減は常に効果的?

分析のためにグラフを見つめる

オフィス・ビブラビの長尾です。ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。

無駄にコストをかけることは経営にとって良くないことです。では、コスト削減は常に効果的なのでしょうか?

ビジネスの利益は単純に言うと、売上からコストを引いたものです。無駄に多くのコストをかければ利益が減ります。コスト削減に多くの会社が取り組んでいるのは当然のことです。特に経営が厳しい時は、何とか利益を上げるためにコスト削減に取り組むことが多いです。

ビジネスを続けていれば、何となくかけているコストがあるものです。一時は必要だったかもしれません。しかし、今となってみれば不要なものも見つかるものです。また、より小さなコストで出来る方法も出てきているかもしれません。しかし、日々の仕事の中で、コストの無駄に目が行くことは稀です。それでも、コストの見直しは、ビジネスの効率化にとって不可欠で、生産性の向上に寄与します。そこで、コスト削減に取り組ませることは、無駄なコストを洗い出す上で効果的です。そして、社内にコスト意識を高め、リソースの有効利用や効率化について考えさせることにつながります。

コストを削減する方針は分かりやすいです。しかし、コスト削減に取り組ませることには良くない影響もあります。従業員のモチベーションを下げる可能性が高いのです。コスト削減は従業員にとって窮屈なものです。今まで使えていた経費が使えなくなるかもしれません。経営の効率化につながると分かっていても、面倒で、気の乗らないものです。

また、コスト削減への取組みの中身にも課題があります。コストは、単純に消費するものと、投資の要素のあるものがあります。単純に消費するものは、徹底的に削減し、合理化することが望ましいでしょう。しかし、投資の要素があるものは、単純に削減すれば良いとは限りません。投資の要素のあるコストを下げることで、コスト削減以上に悪影響が出ることがあります。固定費部分を削減することで、削減した以上に生産性が下がることがあります。変動費部分を削減することで、削減した以上に売り上げが減ることもあります。

コスト削減に取り組む時、多くの会社では、消費するものと投資の要素のあるものとをきちんと区別することなく方向性が示されます。具体的には数値目標を決めて一律決められた割合のコスト削減を求める、あるいは、特定の経費について削減することを求めます。この中に投資の要素のあるコストが含まれていた場合、一時はコスト削減の効果が得られても、中長期で見た場合、経営全体として悪影響の方が大きいこともあります。

どのようにコスト削減をするのかを見極めるのは簡単ではありません。しかし、大きな悪影響が出るコストの削減は慎重に行わなくてはなりません。コスト削減の悪影響が結果として出るには時差があり、時間がかかります。そして、一旦コストを削減することで出た悪影響は長く続き、それをリカバーするのには多くのコストと時間が必要になるからです。

コストの見直しは重要です。しかし、一律の削減など単純に決めてはなりません。消費するものと、投資の要素のあるものとを見極め、将来を見据えたコスト削減を実行しなくてはなりません。その見極めの最終決定者は経営者です。

本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。

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